その昔、アイヌの人々は北海道のことを「イコロ・オ・プ」(宝の蔵)と形容し、その恵み豊かな大地に感謝し、深い畏怖の念を抱きながら生きてきた。その象徴的存在が大雪山であろう。
険しい山岳というよりも、むしろ丘陵というイメージの山容は、女性的で豊かな広がりを示し、四季折々の繊細でかつ大胆な彩りを添えた圧倒的な美しさで人々を魅了する。
さらに、ロマンに満ちたアイヌ民話に思いをはせながら山道をたどると、夢がはてしなく広がり、まるで神々と人間世界の垣根を越えた悠久の時の流れをさまよっているかのような錯覚さえ起こすことがある。これが大雪山である。
展示作品の中から、代表作品をいくつかご紹介します。
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