秋色の沼の平湿原/当麻乗越より(9月下旬)
流れを彩るミヤマバイケイソウ/ヒサゴ沼(7月初旬)
氏は、従来の山岳写真家がともすれば追い求めた超自然的な崇高美やアルペン的景観を意識しながらも必要以上にそれにこだわることなく、先住民族アイヌの人々がこの山域を駆け巡っていた遠い過去に思いをはせ、その情景から自然に湧き出る内なる高まりを制作の源としている。その結果、足元の何気ないたたずまいに目を向け表現することに重きを置き、大雪山についてはその特徴である「平らの美」にひたすら目を向けて表現してきた。この作風は新鮮で、日本山岳写真界に新たな境地を開いたと言える。(自然雑誌faura編集長 大橋弘一)
1938年函館市生まれ。北海道教育大学(現)卒業後、函館白百合学園高等学校に奉職。教員の傍ら大雪山系を撮影。プロ転向後は創作活動を北海道全域に広げ今日に至る。
なお、教職時代、山岳部・写真部顧問として高校生を指導し、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)山岳部門、全国高等学校写真選手権大会(写真甲子園)等で優勝を果たすなど、指導者として高い評価を得ている。